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今年の伊参を振り返るPart4。
一週間以上が経ち、いよいよ記憶が曖昧になってきた。間違いがあればご指摘頂きたい。「その時、私はそこにいなかった」とか「いたのに忘れられてる」とか「俺言ってない、そんなこと」とか。 11月22日(日) 8:00 朝食 新井さん「後でちょっと水を撮ってきます」 赤羽「じゃあお付き合いします」 これだと何の会話かわからないが、新井さんはとにかく、ここ中之条に来るにあたって「水を撮影する」という使命を帯びているのだ(何のことやら)。 9:00頃 新井さん、エナリさんと旅館の裏にある水、すなわち川を撮りにいく。が、川は急斜面のはるか下。 新井さん「遠いですね」 赤羽「撮れそうですか?」 新井さん「無理ですね」 9:20 出発 バスが到着。が、エナリ、新井、室岡、赤羽はエナリさんの車で先に旅館を出て伊参スタジオへ向かう。道順が曖昧。室岡ナビが活躍する。方向音痴で有名な赤羽ナビ、最後にちょっとだけ役に立つ。 9:30過ぎ頃 伊参スタジオ到着 エナリさんが所用のため帰宅。みんなでお礼を言って別れる。 伊参スタジオの建物に入ると、シナリオ大賞2005中編の部の外山文治さんに遭遇。さっそく室岡さんと暴言の応酬をしておる。なんて仲のいい二人なんでしょう。 二階の控え室へ行こうとしたら、シナリオ大賞2003短編の部の杉田愉さんに遭遇。今年は歴代大賞監督プチ集合である。杉田さんは今年、交通事故に遭い相当酷い怪我をされ、ずっとリハビリを続けられていたと伺っていたが、お元気そうでホッとする。 控え室で歴代監督たちと談笑していたら二日目のプログラムが始まってしまっていた。 10:10 伊参短編セレクションⅡ 伊羅子監督の『しましまちゃん』と日本映画学校推薦作の『魚の味』。 『しましまちゃん』はもう何度も観ているので特に付け加えることはない。あえて一口に言えば、「ぱんきっしゅ」(あくまでひらがなで書く)な映画です。 『魚の味』は日本映画学校らしい?と言えるのかどうかわからないのだが、非常に正面切った人間ドラマである。子役がいいですね。ただトラックの運ちゃんの存在意義がよくわからない。あのシークエンスがなければ家族の葛藤をもっと掘り下げられたのでは? 上映後の舞台挨拶は、しましまチームより伊羅子監督と大久保慎太郎さん(お久しぶりッス!)、『魚の味』よりプロデューサーの南部礼さん。大久保さんとは8月の「博士展」の時に知り合い、「伊参、いい映画祭なのでぜひ来てください!」と強くプッシュしていたのでお越し頂けて嬉しい(俺が言うのも変だけど)。『魚の味』については制作苦労話が赤裸々に語られた。 11:20 昼休み 本日の旧交温めタイムパート1。金糸雀に出てくれた谷津郁騎君が来る。一年前に比べてだんぜん大人っぽくなった。この年頃の子は本当に成長が早いなあ。上原組参加の旧赤羽組メンバーとの再会を喜んでいる。監督冥利に尽きる光景。 この頃になるとシナリオ大賞授賞式に参加する三次審査通過者も顔を揃え始める。旧知の仲では森下かおりさん、鈴木太一さんが今年はノミネート。僕は既にこの時点で、この後の授賞式で二人(の作品)が辿る運命を知っているのだが、今はまだ何食わぬ顔でシレッとしているしかないのだった。 12:10 伊参スタジオ映画祭シナリオ大賞2009授賞式 いよいよ「その時」が来た。応募者たちの心臓に多大な負担を与えるこの時間を俺は4年も連続で経験したわけだが、今年は結果を知っている上に完全に他人事なので精神的に余裕がありすぎて楽しくて仕方ない(悪魔)。 賞の発表前に審査員たちの総評がある(今年は豊島監督のみ新作の撮影で欠席)。 応募数の増加に比例してか審査時間は年々伸びており、今年も最長記録を更新したほどの難航ぶりだったようだが、結果的に三次審査を通過した作品は例年になく絞られた(坂井先生いわく「例年なら大賞作品とは歴然と差のある作品も最終審査に残していたが、今年は全ての作品が大賞候補だった」)。そんな「狭き門」化は、作品が多様化を続ける中で新しい伊参のイメージを見出していこうという審査側の苦闘の現われだろうが、応募する側にとっては、今まで以上に、ほんのわずかな差や時の運が受賞結果を左右する厳しい時代が訪れたとも言える。不況だしねえ。あーしんど…… 他には、例年通り「短編より中編がおもしろい」という声が多かった中で、松岡Pが短編の多様性を評価し擁護していたのが印象的だった。 で、いよいよ各賞の発表。受賞者の名前が読み上げられ、一人ずつステージに上っていく。受賞結果はこちらをご覧頂きたいが、今年はとにかくもう短編の部大賞の谷口雄一郎さんが全部持ってった感じではある(上毛新聞社賞を受賞した鈴木太一さんの挨拶もおもしろかったが、一歩及ばず)。受賞時のリアクションがすごすぎて誰も的確に突っ込めなかった。彼の「屈伸運動を伴うしつこいガッツポーズ」は、今後伝説として伊参に語り継がれていくことだろう。知らないけど。 ともあれ、受賞者の皆さん、おめでとうございました。 #
by makeneko_bien
| 2009-12-02 00:37
| 伊参
今年の伊参を振り返るPart3。
映画祭から既に一週間経ち、ますます記憶が怪しくなっているが、とりあえず行ってみよう。そんなわけで繰り返すが、時刻表記はかなりテキトーである。 (続き)11月21日(土) 16:50頃? 『代行のススメ』 この頃は上原組も現地入りして、休憩の合間に旧赤羽組スタッフとも再会したりしていたのではなかったか。 それはさておき、山口智監督『代行のススメ』。中之条オールロケ作品であり、見覚えのある風景もいくつか出てくる。いい意味で「地味」な映画。『UFO食堂』もそうだが、山口監督の作品では、過剰なまでの感情の起伏は敢えて回避され、登場人物の葛藤は必ずしも収束せず(しかしヒントは与えられ)、観客に委ねられる。「そもそも代行とはなんぞや?」をさりげなく伝えるオープニングが巧い。そのオープニングに北田さん(赤羽組助監督、元アナウンサー)がモロに出演していて驚くのだった。 上映後、山口監督、藤真美穂さん、円城寺あやさん、そして山田辰夫氏の遺影が登壇した舞台挨拶を見ていたら、後方から平林プロデューサーの急襲を受けた(笑)。嬉しかったので金糸雀のDVDを贈呈する。 18:45頃? 参加者全員による記念写真撮影 今年はわりと後ろの方にいた。と思う。 19:00頃? 映画祭一日目終了 日程そのものは終わっても、ゲストや関係者にとっての映画祭はまだまだ続く。むしろここからが本番という見方もある(?)。 シナリオ大賞2008作品の上映テストを控える会場で、石田組や上原組の人たちと談笑。照明のやまちゃんから「言っときますけど、テンパってたわけじゃないですからね。急いでただけですから!」と激しく突っ込まれる(→参照)。室岡さんも来た。長岡でお世話になった五藤利弘監督とも再会する。いろんな人から「金糸雀観れなくてごめん」と謝られる。まあね。あの時間じゃね。一方で石田組出演者でかつシナリオ大賞2004スタッフ賞だった羽場さんが金糸雀をべた褒めして下さったので調子に乗ってDVDを贈呈する。エナリさんを石田監督と上原監督に紹介しようと思って振り返ったら姿がない。 19:30 関係者交流会 (再会した)エナリさんと車で交流会場のJAいさまに移動。「まだ時間あるし、いったんスタジオに戻りますか」「それにしても夜が暗すぎですね」とか言ってたらゲストを乗せた送迎バスが到着。そのまま交流会場になだれ込む。 22:00ちょっと前頃 JAいさま出発 旅館へ向かう送迎バスをエナリさんの車で追跡。車中、今日観た作品に対するエナリさんの突っ込みが炸裂するのだったが、俺がつくったわけじゃない作品のことまで俺に突っ込まれるので答えに困る。「なぜ『求愛』のアレはあそこでああなるのですか?」「そ、それは金井監督に」 22:00ちょっと過ぎ頃 四万温泉 旅館「ゆずりは荘」到着 エナリさん新井さんと同室。しばし部屋でまったりした後、風呂へ行く。篠原監督と一緒になる。「そういえばまだ聞いてませんでした」とか言って金糸雀の感想を無理やり拝聴する。ありがとうございました。その後、部屋に伊羅子さん室岡さんを呼んで宴会。楽しい。でも眠い。この時間、実は篠原監督から直々に宴会のお誘いの電話を頂いていたことが翌日判明するのだが、出れなかったのはケータイが圏外だったからで、多摩センターのマックですら通じないソフトバンク携帯が、四万の奥地で通じるわけがない。 3:00頃 就寝 おやすみなさい。 というわけで今回の更新はここまで。二日目はまた次回。いつまで続くんだ、これ。 #
by makeneko_bien
| 2009-11-29 05:36
| 伊参
今年の伊参を振り返るPart2。
ヨシミコブログ見たら、当然のように何食ったかしかレポートしてなかったので、俺はどちらかというとシラフなレポートをお届けしようと思う(笑)。 11月21日(土) 5:30頃 出発 8:00頃 伊参スタジオ着 ……やっぱり早すぎた。スタッフはまだ会場準備中。口々に「早いねー」と(少々呆れ気味に)言われる。あたりまえだ。余った時間を利用して伊参初体験のエナリさんにスタジオ内およびスタジオ周辺およびスタジオ近所の金糸雀ロケ地を案内。 9:30頃 伊参スタジオに戻る。例年のようにえんどーさんが控え室で待ち構えていてくれた。ゲストカードを交付してもらい、体育館(上映会場)へ。入口前では、その場にいた映画祭スタッフに一斉に「おはようございまーす!」と言われ一瞬、VIP気分になる。あくまで一瞬、である。 実行委員長挨拶。いつも愉快な福田さん、今日は真面目モードだ(あたりまえか)。 10:10 シナリオ大賞2007アンコール上映 『金糸雀は唄を忘れた』再編集バージョン、初お披露目。画面が予想以上に暗い(泣)。でも、大スクリーンで掛けていただくのはやっぱ気持がいいです。エンドロールが始まった瞬間に後方からなぜか無理やりな拍手。たぶん俺が昨年「拍手もらえなかった」とか愚痴ってしまったので、スタッフが気を遣って下さったのだと思うが(すまんことです)、タイミングが……(苦笑) 続いて『求愛』上映。DVでの上映とのことだったが、HDVとの違いがあんまりわからん。普通に画質良かった。で、改めて観て思ったのは、『求愛』って「背中萌え」の映画なんだな。 上映後、金井監督と二人で舞台挨拶。金井監督が死にそうな顔をしていたのは、別に朝早くの上映だったからではなく、彼はいま、文化庁委託事業「若手映画作家育成プロジェクト」の参加監督として死にもの狂いの日々を送っているからだ。 そんなわけで舞台では、相変わらずヒマで気楽な俺が金井監督に代わって(?)無駄に笑顔を振りまいた……つもり。ほんと無駄であったが。 12:15 昼休み この辺から記憶がやや曖昧。 山田香弥子さんからもらったおやきを食べながら知人たちと談笑タイム。石田監督と一年ぶりの再会。キャラの濃い石田組のスチールマンさん(赤羽組のスチールマンであったところの藤さんの姿が重なり、既視感でクラクラする)に記念写真を撮ってもらう。伊羅子さん新井さんも到着。最近は何かとお世話になってます。 13:05 伊参短編セレクションⅠ 田中智章監督『花になる』と中野量太監督『琥珀色のキラキラ』上映……のはずが、いきなり音声トラブル。珍しい。「おお、サイレント!」とか思ったら違ったのね。で、上映後に行われるはずだった両監督の舞台挨拶が急遽繰り上げ。伊参の舞台に立つ田中監督を見るのは3年ぶりだ。 やがてトラブルも無事復旧し、上映開始。 『花になる』は、どこかユニセックスな雰囲気を漂わせる孤独なヒロインが観ていて痛々しい。が、正直、かつて伊参シナ大で3年連続奨励賞を受賞した田中脚本のあの圧倒的な強度が、本作ではあまり感じられなかったのだが…… 『琥珀色のキラキラ』は連続ビンタとラストのモノローグで一本勝ち!という感じ。爽快だった。ヒロインの女の子もかわいい。万引きさせるのは展開としてちょっとあざとい感じもするけど…… 14:30頃? 『非女子図鑑』 トラブルの影響で時間が押せ押せになっていたはずだが、何分押しだったか正確に覚えてないのでここからの時刻表記はかなりテキトーである。ひとつ覚えてるのは、なぜかトイレが近くて一本上映が終わるたびにいちいちトイレに駆け込んでいたということだ。 で、『非女子図鑑』である。6本のオムニバス。個人的には「今年も片桐はいりに全部持っていかれた」感が。佐藤二朗も頑張っていたけど。あと、自殺ネタが2本も……(ということは、俺のも入れて今年の伊参は自殺ネタ映画が3本も……なんて年だ)。 舞台挨拶では清水崇監督と女優の足立梨花さん、プロデューサーの……田村さん、かな?(記憶が曖昧ですすいません)が登壇。豊島監督は新作の撮影とかで欠席。驚いたのは、なんとこの作品、プロデューサーが33人もいたそうです。交渉の場で33人のプロデューサーが一斉に名刺を差し出す場面を想像してしまった。あるいは、ホン打ちで脚本家が33人のプロデューサーから一斉にダメ出しを食らう場面を想像してしまった。怖い。 さて、レポートはまだまだ続きますが、長くなってきたのでとりあえずこの辺でいったん打ち止め。続きはまた次回。 #
by makeneko_bien
| 2009-11-27 04:55
| 伊参
しばらく今年の伊参スタジオ映画祭についてつらつらと書き連ねていこうと思う。
まずは自分の作品のことについて振り返る。 『金糸雀は唄を忘れた』の再編集バージョンを映画祭のオープニングに上映して頂いた。集客が難しい朝っぱらからの上映ということで、尺を伸ばしすぎた罰ゲームかとも思ったのだが(笑)、朝にしては予想していたよりも客席も埋まり(三分の一程度だったけど)、間に合わなかったけど「観たかった」と言ってくださった方もたくさんいて、結果的には満足。画面ちょっと暗すぎたけどね。 告白するのは大変恥ずかしいことだが、自分より高評価を得ている他のシナ大受賞者の作品や、結果的に自分より恵まれた制作環境を得られている受賞者たちの境遇を、正直羨んだこともあった(もちろん誰もが他と比べられない独自の苦しみと戦っている/いたであろうことは承知しつつ)。 そのすべてが、11月21、22日の2日間で浄化されたような気がした。 2日間で出会ったのは、かつて一緒に映画をつくった仲間たち。お世話になった人たち。尊敬する先輩たち。志を同じくする作り手たち。そんな場所に、僕の居場所を与えてくれいたのは、まぎれもなく「伊参で映画を撮った」という、単純だが揺るぎない事実なのだった。その事実以上に僕が望むものなど何もなかったのだと気付いた。 こうして唄を忘れた金糸雀は、およそ2年半の時を経て、ようやく唄を思い出した。それは同時に、ひとつの唄が終わりを迎える瞬間でもある。「唄」は終わり、次なる「歌」が僕の中では既に響き始めている。 P.S. 金糸雀の客観的評価がだいたい定まってきた気がする。この映画はなぜか女性にウケがいい。そして男性にはウケが悪い(笑)。この映画を観た男性はたいていこう言うのだ。 「いや、悪くはないんだけど、あんまり僕の好みじゃなくて……」 #
by makeneko_bien
| 2009-11-25 00:22
| 伊参
第9回伊参スタジオ映画祭、終了。
関係者の皆様、お疲れ様でした。 お世話になった皆様、ありがとうございました。 楽しかった。 今年は例年のようなプレッシャーがなかったぶん、 とても素直に映画祭を楽しめた。 たくさんの映画を観た。 たくさんの人と会った。話した。 普段、心の底から楽しいと思うことなんてほとんどないけど、 昨日と今日は心の底から楽しかったよ。 そして今年は何より、 「楽しい」だけで終わらない何かを持ち帰ることができた (キャベツのことではない。キャベツも持ち帰ったけど)。 とりあえず、宵山に書いた 「作り手として映画祭に関わる最後の年」発言、撤回します(早っ)。 どうもそーゆーことになりそうです。 #
by makeneko_bien
| 2009-11-23 01:08
| 伊参
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